☆words

*あの日の空と僕

あの日、空には何もなかった。
あの日、僕には何もなかったからだろうか?
僕は、逃げ出したかった。
僕は、叫びたかった。
僕は、藻掻きたかった。
僕は、そうする方法をすら知らなかった。
僕は、目をふさぎ、耳をふさぎたかった。
口は元からなかった。
僕には何も出来なかった。
例えその時、僕は身を引き裂かれても何も出来なかったろう。
いや、それを喜ぶかもしれない。
終われる事への安堵。
今より、痛い事がなければ、安堵へつながる一瞬の痛みなど怖くはない。
そう思っている。
では、何故僕は抵抗するのだろう?
生存の為の本能?そんな物はとうに無くなっている。元から無いかもしれない。
僕はその先にある物を見てみたいのだ。
その扉から、かすかに伸びる光の始まりを見てみたいのだ。
僕の生きている理由。
それは、好奇心。
今はそれでも良いと思う。
無いよりましだと思う。

2004/1/6

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